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土地がないからこそ自分らしい家が建つ

家を建てるだけでも大変なのに、土地の手当てから始めないといけないとなると、その苦労は倍加する。しかし、楽しみも倍になる。すべてが白紙の状態だからこそ、純粋に自分スタイルの家をつくることができるのである。

よく、日本の都市は欧米に比べて統一感が無く乱雑だと言われるが、個性的で多様な家がある町並みは、それはそれで魅力的ではなかろうか。まして、住む人が、自分のイメージする家にふさわしい町を探して土地を選べば、おのずから、個性的でありながら統一性のある、素敵な町が形成されていくはずである。

厳しい予算のなかで自分の理想の家を建てたいなら、土地選びの段階においても、プライオリティを明確にすることが大切である。利便性、土地の広さ、陽あたり、道路付け、眺望など、すべてにおいて条件のいい土地は、当然のことながら高額である。自分にとって、さほど大切でない要素は、思い切って切り捨てることがポイントである。

たとえば、利便性が高くてなるべく広い土地が欲しいなら、あえて割安な、三角形や凹凸のある不整形な土地を探そう。プランしだいで、かえって個性的で面白い住まいを建てられる。また、間口が狭くて奥に細長い土地は、視界が遠くまで抜けるように設計すれば、すごく広がり感のある住まいになる。また、旗竿敷地は、かえって効率よく駐車スペースをとれるケースもある。更にもっと割安な土地を求めるなら、借地権の土地や最建築不可の建物を購入するのもいい。建物の全面リフォームにより、コストパフォーマンス高く、自分らしい空間をつくることが可能になる。

ただし、素人にはわからない問題がある場合も多いので、その土地を購入するかを判断するためには、不動産会社だけでなく、建築専門家のアドバイスを受けた方が良い。

それは、普通の土地を購入する場合でも同じである。なぜなら、家を建てるのにとても重要なのに、不動産会社が説明する重要事項証明書には載っていない事項があるからである。たとえば、地盤がどれくらい軟弱であるか。これは、家の建築コストに大きく影響する。また、隣の家が建替えるとどのくらい日照が妨げられる可能性があるか。これは、将来のことを考えるととても重要である。

自分がイメージする家を建てるのにふさわしい土地をしっかり選ぶことは、自分スタイルの家づくりの第一歩であり、自分の住む町を素敵にするための第一歩でもある。

川島天晴

出典

30坪以下の土地に理想の家を建てる
  • 『30坪以下の土地に理想の家を建てる』
  • 発行 主婦と生活社
  • 発行年 2008年
  • 定価 1400円