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植物園に住みたい

建て主ドキュメント〜自分らしい家づくりの進め方は100人100様〜

植物園に住みたい

東京・西新宿の分譲マンションで、夫婦ふたりで暮らしていた鴇田さん。乾燥した大都会のマンションでの暮らしのなかで、室内で観葉植物を育てることが、生活の潤いになっていった。そして、故郷である茨城県潮来市に家を建てようと思いはじめたとき、その思いは、「植物園に住みたい」という気持ちと一体化していった。


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雑誌に載っていた、植物空間のリビングシーンが夢だった。
観葉植物やインテリアの雑誌を読むのも好きだった。なかでも、「indoor green style」誌に載っていた、この植物と暮らす空間の写真は、まさに理想的な憧れの生活シーンとして感じられた。
自分たちのマンションの部屋のなかに観葉植物が増えていくとともに、「植物園に住む」というライフスタイルが、だんだん現実的なイメージになってきた。


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構想3年。自分で描いた「植物園の家」設計プラン。
実際の自分たちの生活スタイルをふまえて、植物園に住まう家の間取りプランを考えはじめた。3年の歳月をかけてイメージを熟成して、これこそ自分がいちばん住みたい家だと確信できる家のプランが完成した。それは、南側半分をすべて吹き抜けの植物空間にして、北側の1階は寝室や浴室、2階はキッチン・リビングとする、シンプルで開放的な間取りだった。


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そして、家全体がグリーンに包まれているような...


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それでも、いい家を建てるには、建築家の力が必要だと思った。
基本プランはできたが、所詮は素人の設計プラン。これで本当に家が建つのか、と思った。自分のプランを的確にブラッシュアップしてくれる建築家を見つけたい、と考えているうちに、家づくりコーディネーターの存在を知った。 そこで、「植物園に住みたい」というテーマに共感する建築家を公募する方法を提案された。応募してくれた数多くの建築家のなかから数人と面接したうえで、これは、という感性のあう建築家に出会い、設計を依頼した。設計期間中、建築家と時を忘れるような話し合いを何度もした。できあがった設計図は、もちろん、自分の基本プランをふまえたものだった。


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工務店は、社屋訪問、工事現場見学と見積金額で決める。
建築家による設計が完成したあとは、いよいよ工事会社の選定。工務店3社に見積もりを依頼して、社屋や施工中の現場を見学した。最終候補とした2社は、一方は家族的であたたかな雰囲気の会社、もう一方は緻密で合理的に仕事を進める会社。それぞれの魅力があり、どちらかに決めるのはとても難しかった。最後は、わずかの見積もり金額の差を決め手にした。


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自分の家が造られていく過程を見守りたかった。だから、建築地の近くにアパートを借りた。
着工前には、かねて決めていたとおり、建築地の近くにアパートを借りて引っ越した。それは、工事中は毎日のように現場に通い、自分の家がつくられていく過程を見守りたい、という思いからだった。 上棟後のとある台風の夜には、強風で仮に取り付けられていた屋根が吹き飛ばされそうになるのを心配して、思わず自分ではしごをかけのぼって、屋根を押さえていた。


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完成した住まいは、最初に思い描いたイメージそのままだった。
7ヶ月の工期ののちにできあがった家は、まさしく最初に思い描いたプランそのままの空間だった。しかも、建築家の力が加わることにより、最初のイメージを越えて洗練されたインテリアが現実となった。 家の半分を占める南側の吹き抜け部分は、植物との共生空間である。吹き抜けに面して一面の全開口の窓があり、光が降り注いでくる。


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その開き扉をすべて開け放てば、家の内と外の庭とが一体化して、さらに開放的な広がりとなる。


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2階のリビングキッチンも、植物空間とつながる。
2階は、キッチン・ダイニング・リビングが、ひとつながりの空間である。キッチンは、奥さんのこだわりが反映されている。とはいえ、夫婦の感性は極めて近い。そこには、自分たちが発掘して施主支給の商品も多くある。「無印良品」で買ったステンレス製のオーダーキッチン。「通販生活」で買った引き出し式の食器棚。そして、その食器棚の天板の高さにあわせて、横長の窓の下には、建築家の設計による造り付け収納が続いている。 天井には、天窓が設けられ、室内をさらに明るくすると同時に、風の流れを作っている。


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朝の目覚めも、植物とともに。
1階の寝室と吹き抜けエリアを仕切る扉は、全開口できる。また、洗面室と吹き抜けエリアを仕切る扉も、全開口できる。ベッドで目覚めても、洗面室のダブルシンクで顔を洗うときも歯磨きするときも、いつも緑に向かって。植物たちと一緒に暮らす生活が始まった。


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住まいづくりの本当の楽しみは、これからはじまる。
家の完成はまだ住まいづくりの始まりに過ぎない、と鴇田さんは言う。 植物は未ださほど多くないが、いずれ室内空間が植物で埋め尽くされるのが夢だ。 しかし、急いでそのイメージの完成形をつくろうとは思わない。自然な時の流れが、いずれ、自分にとっていちばん心地よい空間に導いてくれることを確信している。


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  • 基本プラン:鴇田英将(建て主)
  • 設計・監理:スタジオCY(堀内雪)
  • 施工:協栄工務店
  • コーディネート:OZONE家づくりサポート(川島天晴+野崎めぐみ)
  • 文責:川島天晴
  • 写真:堀内犀
建て主ドキュメント 植物園に住みたい 森の小川のほとりに自力で家を建てる